肺炎球菌について
(1)肺炎球菌とは・・・
肺炎などを引き起こします
地球上には、細菌やウイルスなど、目に見えない微生物が数多くいますが、肺炎球菌は細菌の中の一つです。この肺炎球菌は、体力が落ちている時や高齢になって免疫力が弱くなってくると病気を引き起こします。肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。
抗生物質が効きにくい肺炎球菌が増えてきています
日本においてペニシリンなどの抗生物質が効きにくい肺炎球菌の頻度は1980年代後半より増加し、現在、臨床で分離される肺炎球菌の30~50%を占めているといわれています。
(2)肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌が引き起こす病気を予防
肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防するためのワクチンです。
従って、肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌以外の原因による病気(感染症)に対しては残念ながら予防効果はありません。肺炎を例にとると、肺炎の原因となる微生物には各種細菌やウイルスなど、たくさんの種類があります。
しかし、肺炎球菌は、その中で最も重要な位置を占めている細菌です。
インフルエンザウイルスに多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種類があります。このワクチンは、1回の接種でいろいろな型に効くようにつくられています。ワクチンには『ニューモバックス』と『プレベナー13』の2種類あります。
1. ニューモバックス
23種類の肺炎球菌に免疫をつけます
肺炎球菌には80種類以上の型があって、それぞれの型に対して免疫をつける必要がありますが、ニューモバックスは、そのうちで感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の約8割を占めています。
1回の接種で23の型ほとんどに対し、有効レベル以上の免疫ができ、その免疫は5年程度続きます。予防のために5年毎に継続的に接種することが推奨されています。
2. プレベナー13
13種類の肺炎球菌に免疫をつけます
プレベナー13は感染する機会の多い肺炎球菌の13種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの13種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の約6割~7割を占めています。効果の持続性は長く、1回のみの接種です。
(3)肺炎球菌ワクチンの接種
接種方法
接種例
65歳ニューモバックス(定期接種・公費助成)69歳でプレベナー(自費)
70歳でニューモバックス(自費)
75歳以降5年毎にニューモバックス(自費)
費用
ニューモバックス
65歳の方に接種票が送られ、1回目の接種のみ公費の助成があります2回目以降は全額自費になります
プレベナー13
現在公費助成はありません。全額自費になります- 接種費用については予防接種料のページをご覧下さい。
- 高齢者 特に70歳以上の方
- 心臓や呼吸器に慢性疾患のある方
- 糖尿病の方
- 腎不全や肝機能障害のある方
- 脾臓摘出などで脾機能不全のある方
接種に際しての注意点
肺炎球菌ワクチン接種後の副反応(副作用)として、注射部位の腫れや、痛み、ときに軽い熱がみられることがありますが、日常生活に差し支えるほどのものではありません。1~2日で消失します。多くのデータにより、安全に接種できることが確認されています次のような方に、ワクチン接種をおすすめします